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狐白うるさんの出演されたLTK応援アニメPVを創りました

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▽完成映像 (狐白うるさんの投稿)



さてさて、また更新が久しぶりになりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

めっきり夏になって、とても暑い日々を過ごしてます。


夏の熱に充てられるように、今年の夏は一層制作が集中しました。


その一環の中に、本記事のタイトルにもある、

LTKに出場された狐白うるさんの応援フルアニメーションPVを

友人のクリエイターと共に制作しました。


今回はこの制作について、少し思い出を振り返っていこうかなと思います。

色々と本当にあったのですが、制作での出来事にフォーカスを充てて綴りました。


出来事はたくさんありました。まるで学生の夏休みの自由課題を友人たちと一つ達成したような感覚で結構エモいので、是非読んで行ってください。


そして、クリエイターとして一緒に頑張ってくれた二人に本当に感謝を伝えたいです。



■チームメンバーと事の発端


今回の制作におけるチームメンバーはこちら▽


▷ AIHARA

担当領域 / 絵コンテ・キャラデザ・ アニメーション ・ロゴ制作

普段はイラストレーターとして活動。

脈動感や外連味と空気感のあるバトルのようなかっこいいものを描くのがけっこう好き。

筆はそこそこ早いほう。今回は絵コンテから設定資料、アニメーションまで担当しました。

本制作では制作進行も兼ねて本人が一番暴走する事に。

二人にはとんでもない負担と迷惑をかけてます。




▷ 沙羽ちゃんねる

担当領域 / 彩色設定・ デザイン監修 ・Live2D

セルフ受肉Vtuber。イラストレーターとしても活動。

彩度の高い配色センスにLive2Dまでこなせるかなりの実力派。

特に今回は映像との兼ね合いも抜群な彩色センスが素晴らしい。

さらに、校正力の精度が極めて高く、デザインに対する嗅覚はとても高く信頼できる。


そう、彼女は天才である。




▷ かわ

担当領域 / 映像制作・撮影処理 ・3DCG

背景の3DCGからVFXに撮影処理までこなす超万能映像クリエイター。

普段のモーショングラフィックスも素晴らしく映像としての品質は天下一。

さらに今回の撮影処理はこれまでと一線を画す出来栄えに完成。

終盤、怒涛の仕上げで作品の完成度を底上げする彼の実力の高さにいつも驚かされます。


そう、彼は天才である。




このチームメンバーを巻き込みつつ、わりと自然にやることにはなったのですが、

まぁ、なんとも頼もしすぎるチーム…


みんな実務経験豊富な方々なので、それぞれの持つポテンシャルが最強すぎるのが特徴で、「俺たちで集まったらなんかやばいの作れるんじゃね?」という事になり、ほんとうに優秀なクリエイターがノリで集まるとあまりロクな事にならねぇな…(誉言葉)というのが本件の実態でした 笑


実際にやってみるとこれは本当にそうで、それぞれの能力が高かったからこそ、

阿吽の呼吸というか、意図した取捨選択などのようなものを言わずとも感じるシーンはいくつかあり、「互いに想像を超える意外性と良さ」「任せる」みたいなものを特に感じることが多かったです。あとFBが的確で速い。


さて、「この三人になんの共通点があんねん」となるかと思うんですが、昨年の11月頃に開催されたAPO+さん主催のマインクラフトクリエイター鯖で出会ってから仲良くなったクリエイターでした。


▽MCCS+についてはこちら


狐白うるさんがLTKに出るというお話は聞いておりました。


このイベント自体、友人がプレイヤーとして参加する大きなイベントの一つでした。

そうしたいろんな活動している人達の発表を多く聞くことが多かった8月。


かわさんといつものようにだらだらとアニメ見たりして作業してたんですが、

彼とはよくクリエイティブ周りの話をする事が多いので「いつか仕事一緒にしてぇよな」みたいなことを話してました。


そんな最中、LTKがイベントとして始まるタイミングで、

LOLのシーズン、精霊の花祭りのPVが発表されたのをかわさんと一緒に見てました。


▽花の願い(Feat. Hebi.)- 精霊の花祭り 幽明の境 ‘25 S2 Act 2 PV - リーグ・オブ・レジェンド



このPVをかわさんと見たときに、「なんか俺らでもこういうのつくれそうじゃね?」となりまして、せっかくなら狐白うるさんの応援PVを精霊の花祭りチックなテイストにしながら俺らでやってみようぜとなりました。


まさに夏の自由研究のような感じで事は始まりました。


LTK当日まで費やせる制作期間を割り出して、その中で最大限のパフォーマンスを発揮できるように構成案と絵コンテをその場でアップ。カット数も少なくしたのでこれ自体はすぐに完了こしました。


当初、かわさんと二人でこのプロジェクトは実行するつもりでいたので、工数を削減するなら二人で現実的な工数にして、タイトルモーション含めた合計5カットでイラストを5~6枚程度にしてモーショングラフィックス的な感じで完成度高くすれば、10秒程度でもかっこいいライトアニメーションでつくれるんじゃないかと計画をすすめました。


アニメーションに起こすために同時進行でアニメ向けにした狐白うるさんのキャラクターデザインも制作していきました。


こちらに乗せているのは完成物ですが、当初はもっとざっくりしたものでした。


▲狐白うるさんのアニメ用設定画 作画/ AIHARA 彩色設定 / 沙羽
▲狐白うるさんのアニメ用設定画 作画/ AIHARA 彩色設定 / 沙羽

簡易動画コンテに起こした時、「いやもうちょい動かすような事できないものか」と少し動きの課題が出た際に、「沙羽さんLive2Dできるやん…1カット目の目を開くところお願いできんかね?」と、彼女を巻き込むことに。


今回の制作において、女性らしい彩色への感性と能力もこの制作には反映させたかったので、彩色設計もお願いすることになりました。


快く「いーよー」とお返事いただいたのが彼女の運の尽き…。

まさか45枚も塗らされる羽目になるとはこの時の沙羽さんは知る由もないのでした。


そんなこんなで集まった制作チーム。


MCCS+での出会いから、クリエイター同士の本格的な合同作品が生まれるのは今回が初めての出来事かもしれない上に、フルアニメーションという大作になるとは当初はだれも思っておりませんでした。



■制作期間中の出来事


実際に制作に入り始めたのはLTKの開始されるイベントの3週間前くらい。


最初に綴ったように、思った以上に時間がないので、

当初はライトアニメーションでかっこよく仕上げる方向でした。


設定画に入ったのが7月の28日くらいで、沙羽さんが制作チームに加入してから彩色のベースが完成したのが8月の10日くらいだったはず?。結構早めにベースとなる部分だけ仕上げてもらいました。


8月初旬から同時進行でコンテに沿ってカット毎のLOと沙羽さんにパスするためのcut1のLive2D用PSDデータにとりかかりました。


この時点で時間がないなーと軽めの悲鳴を上げつつみんなで取り掛かってました。

沙羽さんに彩色も進めてもらう事になっていたので、僕は急ピッチでLOから線画を上げる事にシフトしていったのですが、、、


ここで何を思ったのか、「いやフルアニメーションにしたほうが映えるやろこれ…」と絵コンテを眺めながら思ってしまったのです。


日数を逆算して進めている仕事の兼ね合いもみながら、「沙羽さんもおるし、なんか行けそうやなこれ」と全員の了承を得ることもなく判断を下してしまった僕は、2カット目以降をすべてフルアニメーションにする事に。


動画割り出して、何回確認しても45枚は描かないとアニメーションとして成り立たない事もわかっている状態。寝る間を惜しむ作業が発生したのはこの時でした。


そして結局大半のカットのセルが上がったのが8月の16とか17日頃だったはず。

かわさんにお願いしていた背景舞台に使用する3Dは8月初めから同時に進行していて、この頃にはほとんど完成していました。


動画コンテも上がっていたので、構成も大きく変わる事はなく完成はイメージできる状態。

残りは塗りと撮影処理とCGの合わせがほとんど…


しかし…


AIHARA「かわさん、沙羽さん、線画作業終わりました。大変おまたせしました。」

AIHARA「えー…、すみません。沙羽さん、45枚あります。(どさっ)」

沙羽「…え?

かわ「え、あいはらさん…動かしちゃったの…?

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この短期間にまずその枚数上げてくるとはまず思わなかっただろうな、というのと、

「これほんまに、マジで間に合うん…?」みたいな状況で、

「なんしとんやこいつ…」みたいな空気でした。

というかそういう状況にしました。僕が。


この時点で軽めの悲鳴から、事件性のある悲鳴へと早変わり。


そう、あと5日くらいで塗り切らないと、かわさんが背景とカットの合わせ作業と撮影処理を終盤実質3日くらい寝ずにやる事になる。

というか、沙羽さんもLive2D含めて3日くらいはろくに寝れん状況にこの時なってる。


僕以外の二人が気が付いた頃には、ブラック企業ばりの制作時間になってしまっておりました。


何度も言いますが、戦犯は僕です。

「私らの事、人間だと思ってないでしょあいはらさん」

と詰められるのですが、バケモノになってしまった僕は言い返す余地もありませんでした。

ふたりともまじでごめん。


ここからみんな「こんなつもりじゃなかったのに…どうして…!!」という気持ちで作業することに 笑


そりゃそうです、だって当初2週間で5枚程度のつもりが45枚に増えてるんですから。


ただ、実際に動きが付いて仕上がり始めたアニメーションをみると「これ、まじで凄い良いものになるな…」という実感もみんな沸いて来て、早く動いてる完成が見たいという気持ちがどんどんと高まってきました。


流石にとんでもない枚数になったので、沙羽さんとカットを手分けして彩色と仕上げを進めていきつつ、撮影処理ができるところからかわさんにどんどん手を付けてもらいました。


目に隈をつけながら、仕上がりをどんどんと上げていきつつ、徐々に完成にむかっていきました。

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それはもう、まるですべてリモートで実現する令和のアニメ制作スタジオのよう。

納期に追われるアニメーター集団のような形相はまさにクリエイターでした。


こんな時間がない中でも、沙羽さんは完成度を上げる手間を抜かないで、影入れの提案までしてくれました。


いただいた提案を採用させていただいたのですが、工数はもちろん増えて瀕死状態に。

しかしありがたい。このひと手間があるかないかで完成度が大幅に変わったと思います。

影提案前
影提案前

影提案後(影の形状がほかのカットと同じように形状寄せになり、二影までついた。)
影提案後(影の形状がほかのカットと同じように形状寄せになり、二影までついた。)

制作品質に対する、まるで漢気のようなものを終始感じてました。

本当にすごい方です。


こうして、ほとんどのカットの仕上げが出来てきたのが23日の夕方。

沙羽さんにお願いしたcut1のLive2Dの上がりが24日のam。

▲沙羽さんLive2D上がり
沙羽さんLive2D上がり

この時点でLTKイベント本番の二日前。

狐白うるさんに見せる事を踏まえるともう二日もない状態へ。

三人とも限界を迎えながらさらに、夜な夜な必死で制作をすすめていきます。


ここから最後の工程、怒涛のかわさんの撮影処理へと移行。

絵が完成した後の、命のバトンパスでした。

たったの4カットとはいえ、背景3Dとの整合性もなじませる必要がある工程です。


24日深夜、さらなる完成度を求め、

Live2Dと撮影処理のアドバイスをこの二人にお願いをしました。


・Live2Dアドバイス おもちチャウダー先生

・撮影処理アドバイス アズマさん


完成間近で余裕のない僕ら。

完成度をさらに上げたい一心と、藁にも縋る思いでお二人に連絡をしました。


おもちゃう先生もアズマさんもお忙しいのに、

お二人とも深夜にいきなりご連絡したのにも関わらず快くお返事をくださりまして、丁寧に教えてくださいました。本当に感謝してもしきれません。


Live2Dは動画についてご教授いただきました。


沙羽さんはこれで更なるパワーアップを図り、

かわさんは撮影処理についてアズマさんからのアドバイスで、

アニメの考え方からご教授いただいてパワーアップしました。


完成間近で、完成度をさらに上げるための努力を惜しまないチームメンバー二人の姿に、クリエイターの魂のようなものを感じて泣きそうに。


とんでもない無茶ぶりをしたのは僕の方なのですが、、、

同じ気持ちで取り組めていることがこんなにも嬉しいものなのかと、この年になって経験できました。


睡眠を犠牲に、かわさんは怒涛の大詰め二日間。


彼はこのままほぼ寝ずにLTKのイベント会場へ行くことになります。本人は寝たと言ってますが絶対足りてないと思います…。


時間が経つ毎に声が細々と弱っていく彼を横目に僕は申し訳ないという気持ちでいっぱいになりました…。

畑が違うのでこの間僕はなにもお手伝いできることがなかったのが悔しかったです。


できることからと、同時進行でSEを僕のほうで集めて重ねて作成。

これはこれで奥が深い作業で少し時間がかかりましたが、音にこだわると完成度がさらにあがりました。


そんなこんなで25日の夜、ぎりぎりまで詰めて何とか完成しました。

狐白うるさんに完成した動画をお披露目して無事にプロジェクトはいったん完了となりました。


X(旧Twitter)に狐白うるさんが投稿後、評判もかなり良いようで、三人ともホッと一息ついた次第。すこしは狐白うるさんの力になれたでしょうか。


ひとまず、みんなによろこんでもらえてよかったです。



■プロジェクトを終えて


LTKの大会で狐白うるさんのチームは惜しくも二位となりましたが、試合内容はすばらしいもので、三か月スクリムを頑張ってきた彼女たちの努力が見える素晴らしいものでした。

TOPレーナーとして最高の立ち回りで強すぎました。


素直に友達が大活躍しているのは感動しました。


▽実際の大会はこちらから観れます

Day1


Day2



アニメPV完成後、なぜか制作協力してくれたふたりから終始500万円を請求されてます。

狐白うるさんからもなぜか500万円請求されてます。

(※もちろん冗談だと思いますが)


「お金じゃなくて愛だろお前ら…!!」と言ってますが聞く耳を持ってくれません。

「500万円もらえるからセールになってないこんにゃくかったのに…」とか、

「500万円もらえるからたこやき並んだのに…」とか、

「10時に起きたら500万円くれるって言ったのに…」とか、

わけわからんことばっか言い始めて手が付けられません。


「そもそも500万円あったらもっと贅沢しろよ」と思う。

君らの言ってるそれ500万じゃなくて500円で済むねんな、その幸せ。


もちろん、1000万円以上、、、いや、、、

お金には代えられない価値のある作品になったのは事実ですけどね…

出世払いでなんとか恩をかえしていけたらと思います…。


てことでフルアニメーションのご依頼をください。

完成度の高いアニメーション作品を提供できます。

この人達になぜか500万円支払わないといけないので。

企業のお金持ちの方お願いします。



…まぁ冗談はさておき、

制作に全力で力を貸してくれた二人には改めてここでお礼を言いたいです。


無茶ぶりに付き合わせてしまってすみません…

一緒に制作できて嬉しかったし、

ずっと同じ気持ちで一緒に頑張ってた時間が楽しかったです。


制作全般において、やりたい表現に対して、全員が妥協の一つもせず、

僕の無茶ぶりに笑って返してくれるような二人に本当に救われてました。


沙羽さんはほとんど巻き込み事故だったのに、嫌な顔一つせずに提案までくれるし、負担を買って出るような事ばかりで頭があがりません。彼女の手が無ければ、間違いなく完成しない作品でした。何よりクリエイターとしての沙羽さんの側面を強く知れたのが、自分はとても嬉しい事でした。心から尊敬しております。


かわさんは映像クリエイターとしての腕はもちろんの事、最初から最後まで信頼をしてましたし、最後は任せっぱなしでした。そもそもこういう事をしようと彼から声をかけてくれなかったらこんなステキな作品を創ることもなかった出来事でした。最後まで品質をあげるために踏ん張ってくれたかわさんが本当に頼もしかったです。


二人とも本当にありがとうございました。


いや、これ1本で1人500万円は無理やけどねさすがに!! 笑

なにかで別のことで今度は返させてください。


狐白うるさんは試合本当にお疲れ様でした。

応援PVアニメーションの制作をするというなかなかない機会を得られた事もですが、実際に試合を活躍している姿を幕張で応援できた事もとても嬉しく思います。

新たな体験をする機会をいただけて本当に感謝しかありません。

ありがとございました。



今回を通して気が付いたことはこちら、

「工数とルールの制限をすればハイクオリティなフルアニメは約2週間で撮影処理までいけるけど普通にブラック企業になるので、ぜったいおすすめはできん。」です。


もう少し時間あればもっと完成度あげられたでしょうし。

反省点はありますが、可能な限りの中で最大出力が出せたと思います。


毎度のことながらなんでこうも少し時間に余裕があると、

「2か月で65人を描ききる」とか「二週間で45枚描く」とか、こんなバカみたいな枚数を短期間でやろうとするのかと甚だ疑問です…。


これが自分の生き方なのかもしれんです…が、

別の友人の言葉を借りると、「今まで一人でやってきた弊害が出てる」です。


これは見つめなおすいい機会でした。

今後頑張ります。


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■AIHARA STUDIO


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